あとちょっとで！

あと数日通勤すれば、今までお世話になったこの職場ともお別れ。
なんだか辞めるんだっていう実感がない。いつものようにお客様とお話して、
いつもと同じようにパソコンに向かって。常連さんと世間話してると、なんだか辞めてしまうのも勿体無い気がする。

今日、一番大好きなお客様と最後のお別れをしてきた。
その人は、私が入社したての頃、丁度仕事にも生活にも行き詰っていたときに出会ったお客様。
あの頃は営業をしていた。慣れない仕事に戸惑いながら、右も左も分らなくなって、世界が灰色だった。
偶然営業先で出会って、新人で、無知な私に声をかけてくれた。
出口も見えない、泥沼のような世界に光が差したような出会い。
それから、営業から店頭に仕事を移しても関係が続いている。失敗しても見放さないで、会社のブランド名ではなく「私」という人間に会いに来てくれる。去年退職されたけれど私にとっては永遠に先生であり、尊敬すべき人。
アイルランドへ行く話をしたら、「今できることをしなさい」とエールを送ってくれた。
この先もうお会いすることはないかもしれないけれど、きっと忘れないと思う。
私にとって永遠の別れは寂しいものではない。もう会えない事を悔やむより、出会えたことの喜びを忘れないことのほうがずっと素敵だ。

人は「いつか、また」と言って別れる。
その言葉に未来はなくとも。
「いつか」
と口にすることで、その出会いを心に刻むのだろうか。

ありがとう、先生。